Azofra → Santo Domingo de la Calzada 15.3km  あと567km

巡礼路の周りには、また麦畑が増えてきました。麦4:オリーブ4:ブドウ2くらい。キリスト教の大切なものが全部そろっているように思います。

サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダは、巡礼路を整備するなど巡礼者の支援に生涯をささげた聖ドミンゴゆかりの地で、カテドラルには遺骸が安置されているそうです。

むかしむかし、巡礼の途中で捕らえられた息子の無実を訴えた両親が、役人に「そんなことはテーブルの上のチキンが生き返るようなもんだ」とあしらわれ、すると本当にお皿のチキンが生き返って歩きだしたという故事が残っています。そのためカテドラルの中には今も生きたつがいの鶏が飼われています。

カテドラルや時計塔など、4つの見どころを回れるパスチケットが販売されていて、なんとラ・リオハ州で一番高い建物とされる時計塔の鐘のところまで上ることができます。意外にも、時計塔の鐘は、紐で引っ張って鳴らすというシンプルなものでした。引っ張っているのは機械ですが。

今日の宿泊は夢に見たパラドール。スペイン国内に数十か所ある国営(または半官半民)の高級宿泊施設で、古城など歴史的建造物を利用したものも多くあります。巡礼路には5カ所あり、うち2カ所がこのサント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダにあります。今回の巡礼は、ここを含め4カ所、パラドールに宿泊することにしました。その代わりそのほかの日は、一番安いアルベルゲ(巡礼宿)でがんばろう。パラドールや日にちによるけれど、宿泊予約サイトをうまく利用したら、そんなにびっくりするほどの値段ではありませんでした。高級ホテルですが巡礼者も泊まるので、ザックに運動靴でも大丈夫です。

ここは聖ドミンゴの居宅、その後は救護院となっていた歴史的な建物。壁に窓に、床に、巡礼の歴史が染みついているように思えました。

久々のふかふかベッドにバスタブ、そもそもが久々の個室ですが、洗濯機がない、干し場がない、電子レンジがない、アルベルゲの方が便利だなあ、と思ってしまいました。貧乏性です。