Grañón → Tosantos 21.1km あと539.4km

朝、同じアルベルゲ(巡礼宿)に泊まっていたオーストリアから来たMさんが、玉露を見事なお点前でいれてくれました。日本文化に憧れ、日本人より詳しい人は多く、皆、次は日本の巡礼路を歩いてみたいと言います。

国道に沿っていることを忘れさせるような歩行巡礼路が、麦畑の中村から村へと続いています。ラ・リオハ州からレオン州に入っていきます。

立派な家紋の入った家、窓辺を美しく花で飾った家、村ごとに異なる建築の教会の姿に目を奪われます。

多くの教会の塔の上には、コウノトリが巣を作っていました。羽根を広げ、フワフワと羽ばたかせながらくちばしをカッカッカッと鳴らし、求愛や威嚇をする姿も見られます。

今宵の宿は、救護所であったという古いアルベルゲ。梁も壁も、手作り感満載の屋根裏部屋が寝室。皆で夕食のしたくをしましたが、信心深いオスピタレロ(管理人)はすぐに讃美歌を歌いだし、巡礼者もそれに合わせたりします。屋根裏の、枝を組み合わせた十字架のある小さな祭壇の前でミサ。その後、各国から来た巡礼者が残した手紙を、その国の人が自国語で読み上げます。私は恋人と別れて巡礼の旅に出たという日本女性の手紙を読みました。そして自分も次の日本人巡礼者に手紙を残してきました。