León → Villar de Mazarife 21.8km 3万2471歩 あと293.9km

パラドール(高級国営ホテル)の朝食ブッフェはなんとも豪華。このチョリソもそのチーズも、きっと最高級品に違いないのでしょう。朝食会場で会ったのは、自転車で巡礼をしていると思われるおじさま一団と、「ゆっくり歩いているんですよ」と話してくれたおっとりした日本人のご夫妻。そして、巡礼スタイルとおぼしきぴったりのスパッツをはきながら、明らかに路上で会う方々とは趣の違う、モデルのように美しい女性と、これまた美しい中年女性の2人。真っ赤な帽子とサングラスが目を引き、「汗」などとは無縁のよう。背景にバラの花びらが舞っていそうです。

さてさて、気を取り直して、再び貧乏旅行へ出発。久々の都会も徐々に離れます。

地図でオプショナル・ルートを見つけると、多少距離が延びてもそちらを歩くようになりました。メインルートよりも、ちょっとわくわくするんです。

小さな子ども2人を連れたファミリーに遭遇。ちゃあんと子どもたちも自分のリュックを背負っています。この子たちのこれからに、この旅はどんなふうに残っていくのでしょう。ちょっとうらやましい。

あれれ。ランチの後に追いついたときにはお母さんと弟くんだけになってました。お父さんとお姉ちゃんは先に行って、ぐずる弟くんはお母さんの担当になったんですね。わかるなあ。大人でもめげそうななかなかの日差しだからね。お母さんはしゃがみこむ弟くんに「ほら、立って」「今バックしてはだめ」など、励まし励まし進みます。がんばれ。あと少し。

ようやくたどり着いたアルベルゲ(巡礼宿)の受付で、一家とまた一緒になりました。8歳の弟くんは、アイスのケースを食い入るように覗き込んでいます。アメリカから来たというこのご一家。レオンからのスタート、今日が初日だそうす。私が40日間をかけて歩くのだときいてびっくりしていました。

日本から来たと言うと、「わあ。次は日本に行きたいと思っているの」とお母さん。お姉ちゃんも、「食べ物がおいしいんでしょう?」。来てね。ぜひね。巡礼にもそれぞれのスタイルがあるもんです。

スーパーで買いそろえたワインと缶詰とチーズで、中庭で食べた夕食の、なんとおいしかったこと。