スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼に旅立つことにしました。聖ヤコブにちなんだ聖地として、1000年の昔から熱心なキリスト教徒たちがここを目指したそうです。かなり昔、この地を訪れた友人の、「教会の鐘の音が響く道」という、なぜかその表現だけで、ずっといつか行きたいとあこがれ続けていました。

サンティアゴに向け、ヨーロッパじゅうから集まる巡礼路のうち、いちばん人が歩いている「フランス人の道」を選び、フランス南部からピレネー山脈を越えて、西へ西へ、約40日間をかけて800kmに及ぶ道を歩きます。

昔の人はときに命を落としてまで、何を求めてそこを目指したのでしょうか? 自分は? 無宗教で、自分探しをするとかいう理由も特にもたない私は、てくてく歩き続けることで、これまでとこれからが、少ーし見えてくるかもしれない。旅が終わるころには少ーし人間が成長してるかもしれない。とりあえず行ってみよう。