Santo Domingo de la Calzada → Grañón 6.5km あと560.5km
だんだんと麦畑ばかりになりましたが、麦にもたくさんの種類があって楽しめます。
グラニョンになかなか楽しいアルベルゲ(巡礼宿)があると聞いて、日程にも余裕があるので、わずかな距離ですが今日はそこを目指すことにします。
寝室は教会の屋根裏、洗濯場はさらに先の穴倉(もちろん手洗いですよ)。ダイニングではそれぞれに楽器で遊んだり話をしたり。昼寝をしていてもいいんですよ。そして皆でわいわいと夕食をつくります。レンズ豆と具沢山の野菜の煮込み、フルーツサラダ。赤ワインも飲みたいだけ飲めます。外にはスコールがきましたが、中は熱気があふれます。初めて日本人にも4人も会いました。皆一人旅です。
近所のパン屋さんがオーブンでポテトを焼いてくれているので、皆で雨の中それを取りに行きます。厨房の前で、各国の歌をおかみさんに歌わないともらえません。私たちは「スキヤキソング」を歌いました。おかみさんに指名された3人が仮装をして厨房にポテトをとりにいきました。帰り道、関係ないけどカフェもひやかし……。皆、ノリがいいですね。
食事の前にはこの歴史ある教会での巡礼者のためのミサを催してくれます。こうしたことに、必ずオスピタレロ(アルベルゲの管理人)は、「もしよかったら」と強制はせず、「仏教徒であろうと、宗教をもたなくても、どこの国の人でも」と安心させてくれます。食事の後は皆で、何百年人々が語り合ってきたんだろうかという椅子に座り、それぞれの巡礼への思いを語ります。「私は全てを失った」隣の若い女性がそう言っていました。さっきまで明るく騒いでいた人です。
日本で教会に入ったりミサに参加する機会は、信者でなければそうありませんが、オープンで、懐が深く、温かな教会のもてなしは、この旅で忘れられない財産になりました。キリスト教を少し理解することもできました。ここには、本当の世界平和がありました。