Palas de Rei → Ribadiso de Baixo 26.3km 3万6871歩 あと41.8km
ガリシアの農村の風情が残る道を、新たな巡礼仲間とともに進みます。高校生らしき集団にも会いました。なるほど、社会科見学には最高のコースです。歴史を、文化を、産業を知り、国際交流もできます。
こんな美しい村々をたどるのもあと少しとなると名残り惜しいものです。
Melideメリデには、ガリシア名物のタコ料理、プルポ・ア・ラ・フェイラが食べられる「プルペリア」がいくつもあります。ゆでだこにオリーブオイルとパプリカパウダー、塩をふったシンプルな料理ですが、専門店が成り立つほどの人気。タコをやわらかくゆで上げるのが職人技の見せどころみたいです。ガリシアで最も古い十字架碑や、中世に歴史をさかのぼる由緒ある教会もいくつもありました。
今宵はイソ川のほとりにあるアルベルゲに泊まることにします。さらに3㎞いけばチーズで有名なアルスーアがあり迷いましたが。
橋の上から、先に着いたギター少年ミケーレくんが川辺で弾き語りをしているのが見えました。
荷を下ろし洗濯とシャワーをすませて川辺に行った時には、水辺には2人しかいませんでした。少し離れたところで青年が同宿になった一人旅の女の子にさかんに話しかけています。休むことなく流れる澄んだ水面をじっと見ていたら、アレが歌いたくなりました。「知らず~知らず~あるいーてきた……」流れに向けてフルコーラス。いつしか青年は話すのをやめてしまい、歌い終わると2人で温かな拍手をくれました。「生きることは旅すること」そんなフレーズがしみました。
レストランではとろけるような舌ざわりのアルスーアのチーズを食べることができました。そして、「食べたいもの」にリストアップしていた「ウナギの稚魚」も。
この晩、そっとベッドを抜け出して星空を見上げました。この巡礼は「星の巡礼」と呼ばれているのに、アルベルゲの門限の22時ごろに、サマータイムの遅い日暮れがやってくるので、なかなか星空を見ることはできませんでした。このアルベルゲは広い敷地に宿泊棟とシャワールームの建物、キッチン棟などが配置され、門限の時間になると全部まとめて門を閉めるので、外に出ることができたのです。首が痛くなるほどいつまでも見上げる異国の星空。せせらぎの音だけが聞こえる静かな夜でした。